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シルクロード 草原の道 天山北路
第13日  (6月19日)

イリ〜昭蘇平野(烏孫古塚、草原石人、汗血馬厩舎)〜イリ〜(飛行機)〜ウルムチ  (ウルムチ泊)
 本日は汗血馬の故郷「昭蘇」に行き、イリにもどり、イリ空港からウルムチに行く。6:30 起床、東の空明るいが日の出はまだ。よく晴れている。クーラーなしで丁度よい温度。7:10 日が昇る。7:30〜朝食、中華(お粥数種類等)の他、洋風料理、パンの種類も多い、卵オーダーで焼くところもある、目玉焼オーダーする。チェックアウトに時間かかり、予定(8:30)より遅れて、8:47出発、現地ガイドの仲さんも乗車。イリは山脈に挟まれた地域で新疆では降水量が多く、緑豊かな地域であり、主産業は農業でモモやリンゴの産地である。イリの市内人口は45万人という大きな町である。9:00農村地帯に出る、ムギ、トウモロコシ、ジャガイモの畑が見える、大きなブドウ園もある。農村地帯を40分近くはしり、小さな町を通過。この町を出てすぐ左側に大きなポプラ並木のまっすぐなジャリ道が見える。ポプラ並木の道の絶好の撮影ポイントだが道幅5m程度で走行中のバスからでは撮影できない。(残念!)9:48 ちょっとした町を通過、町を出ると今までと同じような畑の風景。9:56 大きな川を渡る、この少し上流で三つの支流が合流したイリ川とのこと。10:08右側、畑がきれ、遠くの山まで続くひろいゴビに、すぐに左側も広いゴビとなり畑から砂漠地帯に入る。10:20草の少しあるゴビのところでバス停車、この近くが烏孫の古墳群との説明ゴビの中に直径7〜8mほどの盛り上がった所がポツンポツンと見える。(写真(44))
写真(44) 烏孫古塚、草のない”もりあがり”が古塚
 知らずにちょっと高い所に立っていたら「そこはお墓の上ですから失礼になります。」とガイドさんに言われて慌てて下りる。柵もロープ等での囲いもなく言われないと気がつかないほどに風化している。墓は盗掘で貴金属等価値あるものは全て失われているのだそうだ。この古墳の出土品としては鼻の下にヒゲをたくわえ、ルビーで装飾された黄金のマスクが有名である。近くには烽火台の跡もある。いまもって何故か分らないのだが、烏孫の人の数の数え方は偶数はなく奇数だけだったという説明もある。近くには土の壁の家の集落、その先は緑の山、振り返ると広い平野に黄色く実った麦畑が見える。草のあるゴビの中を歩き、写真を写す。このあたり海抜500mだそうだ、風は爽やか。10:50出発。11:00道路工事の時の宿舎の跡の近くでトイレストップ。屋根は無いが、壁は残っている。女性は一人一部屋使用可。(男性は反対サイドの青空。)すぐ下の谷には川が流れていてカザフ族の小さな集落もある。すぐに谷に下り、谷を遡っていく。11:17道路の近くの草原で蜂蜜採取の箱があり、近くにパオもある。この近くに3ヶ所養蜂家が見える。11:23〜まばらな針葉樹と牧草のみどりの山の中の坂道を上る。11:30峠を越え、同じような風景の中を下って行く、5分足らずで九十九折の坂は終わり、小さな川に沿ってはしる。前方遠くに天山の雪山も見える。11:40前方に大平原の見えるところにでる。11:44交通検問所、馬さんバスから降りて手続き、すぐに終了。11:53 特支斯(トクス)の町の入口の大きなモニュメントのところで右折し昭蘇へ向かう、昭蘇70kmの標識もある。トクスは「八掛城」(道教の八掛図の形をしていることからそう呼ばれる)とも言われ、町が規則正しく仕切られていてどこの角にいっても同じ風景でかえって分り難いという説明もある。12:04大きな川のほとりの集落の中をはしる、学校もみえる。集落を抜けると両側みどりの牧草、羊の放牧多い。とくに左側は山の上まで牧草が続き、一面の緑の中に白いパオが点点とみえる。山の上の方にもパオが見える、中に土のすじが見えるのは遊牧の人たちの道であろう。あの山のむこうも同じようなところで羊がいっぱいいてパオが点点とあるのだろうか、それとも今は静かでそのうちにここのみんなが引っ越していくのだろうか。いずれにしろ私には山のむこうもみどり一色の草原に見える。そう思いバスの車窓から山を見つめる。川の近くの平原にはアブラ菜の畑もあり黄色い花が一面に咲いている。そんな風景がずうっと続く。12:35左遠くに天山の高い真っ白な雪の峰が連なっているのが見える。このあたり川は遠ざかり広い平野の中、道路の近くは畑が広がる。パオのある草原はその畑の向こうの方にひろがっている。アブラ菜の花の咲いている畑も多く、養蜂の人たちもみえる。12:47左折しジャリ道に入る、すぐに亜麻の紡績工場がある。昔稲を刈って干す前に田んぼに切り口を上にして一時おいていたのと同じ形の茶色い亜麻が一面に干してある。(写真(45))
写真(45) 亜麻の乾燥
 干し終わった(と思う)亜麻は大きな家の形のようにつみ上げられて保管されている。工場の敷地内には社宅と見られるアパートが何棟かある大きな工場だ。どんどん進んでいくと畑は無くなり、牧草とその中にパオの点在する世界になる。13:00 草原石人のところに到着。ここの石人、もともとあったのは一基だけでそれ以外は他の場所から移設されたものとのこと。ここにずっとあった石人は160cmくらいの高さで王冠をかむり、髪はうしろに束ねて長い、左手に剣、右手に杯を持っている。腰の下の円形の基礎には突厥文字が書かれているがまだ解読されていない、ただ突厥族で、2000年くらい前のものと推定されているという。石人は今日も同じ方向を向いて黙って直立している。(写真(46))
写真(46) 草原石人
 まわりにはエーデルワイスの白い花が咲いている。近くのパオから傘をさした少女が珍しそうに歩いてくる、持ってきたカラーペンを渡し、カメラを向ける、傘で顔が暗くなるので傘を置くようなジェスチャーをすると彼女にっこりして傘を投げ、直立不動の姿勢をとる。シャッターを押し「謝謝」と言うと彼女も「謝謝」という、手を振って別れる。ちょっとはにかんだ直立不動の姿がかわいかった。バスの走ってきた道の正面から右側には雪の峰が続く、右の方に、見えているところ全部雪に覆われた尖がった峰がある、高そうな感じ、燕さんを通じ現地ガイドの仲さんに聞くとハンテングリ山(6995m)とのこと、(写真(47))。
写真(47) 昭蘇近くからの天山と右の雲と接している白い山が6995m峰
 更に右にはポペタ山(7439m)があるはず(地図にそう書いてある)だが今は見えない。仲さんの話だと朝にはこの7000m峰も見えていたとここの人が言っていたそうだ。このあたりにも高い山があるのだ。13:35出発、元のアスファルト道路にもどり、来た方向に2分ほどもどって右折し草原の中のジャリ道にはいる。14:00道路から外れ鉄条網の間の狭い門を抜けて草原の中の道(車が通って草が無い所)を通り、14:10昼食場所のパオに到着。パオに入る前にバケツに入った水を柄杓に汲んで両手にかけてもらって手を洗い(ここで手を振って水を払うことはご法度!)、靴を脱いでパオの中に座る,風はないが暑くはない。料理はピラフ、羊肉煮たもの、シシカバブー(といっても串に刺したものではなく20cmほどもある骨付き肉を焼いたもの千切って食べる、味付けはシシカバブーと同じ)、野菜炒めたもの。ピラフの味付けは日本で食べるものに近く好評。オプションで馬乳酒、茶碗1杯2元。ちょっと酸味がありさっぱりしている、冷やしてあるわけではないのだろうが井戸水くらいの温度で冷たい。アルコール度5%とのことだが、飲む時にはアルコール含んでいる感じはしない(飲んで少しすると顔がちょっと火照るーー)やはりお酒なのだ。14:55食事終了外へここからの景色もすばらしい。(写真(48))
写真(48) :昼食のパオ近くの風景
 フリータイム20分、パオから離れて各自お気に入りの撮影ポイントへ。15:15から徒歩で汗血馬の厩舎へ、約10分で厩舎に着く。全員さくの中に入ってから門を閉め、厩から馬を出して柱につないで見せてくれる。蹴られないように馬のウシロに立たないように注意ある。最終的に7頭の馬をつないで見せてくれる。(写真(49))
写真(49) 汗血馬
 21歳だという馬はおとなしいので触ってもいいとのことで撫ぜてみる。みんなの感想は”絹織物に触っているようだ”ということで一致する、とにかくツヤツヤ、スベスベということ。確かに血管が浮いているが走っていないので汗は出ていない。殆どの馬はスマートでいかにも早そう、ただ一番大きい1頭は重さ約1トン、早いというより強いという感じ。値段は高いもので1頭150万元(約2550万円)だそうだ。再び徒歩で(食事した)パオのところにもどり、15:50バス出発。16:07舗装された道路にもどる。すぐにアブラ菜の畑のところで停車し花の写真写そうとするが、入口にミツバチの巣箱があり蜂ブンブンで近づけなくて写真撮影断念。来た道をもどる。17:10 トクスの町のところ通過、17:17交通検問所のところ、帰りは停車しないで通過。17:40峠の上りにかかる、17:45峠通過、17:52峠を下りて、谷川のほとりをはしる。18:08谷と別れて上る、すぐに朝のトイレストップのところ通過、18:11古墳のところ通過、観光客だれもいない。18:20〜並木のある道路はしる18:30イリ川渡る。18:48小さい町通過、そのちょっと手前にあの並木のきれいな舗装されていない道があるがタイミングを逃して撮影できず。(残念!)19:25左折、 19:34 イリ河大橋に到着、橋のたもとの駐車場に停車、イリ大橋観光。橋の近く、道路から下りたところに公園になっていて橋の撮影ポイント。(写真(50))
写真(50) イリ河大橋
 橋の下はかなりの急流で「遊泳禁止」の意味の標識もあるが何人もの人が泳いでいる。橋の上や公園に人出あるがまだ早いのかそんなに多くない。19:50出発、イリの町を通り抜け、20:17郊外の回廊の大きなレストランに到着、門の前で民族衣装の乙女に迎えられて夕食の部屋へ行く。食事は14人でワンテーブル、スープ含む15種類の料理、メインは地鶏の土焼き(土で包んで丸焼きにしたもの)ー蒸し焼きの感じでカレー味なのがユニーク。ビールは「西涼ビール」蘭州産、アルコール3,6% よく冷やしてあるが、ウス味、1本追加 10元。門で民族衣装の乙女とならんで記念撮影し、21:15出発、鬱蒼とした並木道を通り、21:30飛行場到着。バスのメーター確認し下車、ドライバーの馬さんとはここでお別れ、いつもにこやかに、慌てることの無い安全運転ありがとう。あたりはうす暗い。22:00 荷物検査終了、歩いて搭乗。飛行機は130人乗り程度の小さなもの、満席である。22:28離陸、22:45おつまみと飲み物、”ビアー”と言ってみるが、”没有”との答え。リンゴジュースを飲む。23:20ウルムチ空港着陸、23:40 荷物受け取り、道路を渡って駐車場へ、迎えのバスがまだ来ていない、10分待って来たばすに乗車。0:20 6月7日到着した日に宿泊したホテルに到着。荷物整理入浴済ますと2時前になっている、すぐ寝る。本日の走行401Km 最初の日から本日のイリ空港までのこのバスの累計走行距離3924Km これにカナス湖往復の専用バスの走行80Kmを加えると総計 4004kmとなる。まさに4000kmのバスの旅である。

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