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シルクロード   の旅
第8日(7月15日)
 酒泉発 嘉峪関、万里の長城の終点を見て、強風で有名な安西へ   安西泊


本日は嘉峪関から安西までの約300kmの旅。6:00起床。洗面の水が冷たい、あまりに冷たいので測ってみると13℃だ。雪解け水があまり温まることなくここに湧いていることを実感する。さすが酒泉。7:00の朝食前にホテルの前に出て見る。よく晴れている。天気は西安から天水に向かう日(7月10日)の午前中雨であったが、それからは毎日晴れている。晴れているのが当然という感じでこの日記にも記録しなかったが、10日の午後からは毎日”晴れ”が続いているのです。外も爽やかで肌寒いほど、現在の外気温17℃。駐車場のバス数えてみると7台。フロントガラスに表示されている名前では日本の団体はわれわれだけのようだ。7:00よりバイキングの朝食。団体客で混雑している。8:00ホテル出発。10人近いホテルの従業員がバスのところにならび、お辞儀をし手を振って見送ってくれる。中国でこんなに大勢の組織的な見送りは初めて。バスの中でFさんより本日の観光に、万里の長城の終点(=万里長城第一とん)加えること提案あり、ガイドの張さんは予定に入っていないので別料金が必要と歓迎しない返事。Fさん、別料金自分ひとりでみなさんの分まで負担しますよという熱意。料金はとにかく負担するから(=張さんの旅行社ー酒泉国際旅行社ーには負担させないから)行こう!ということで全員一致。ここも訪れることに決定。8:20左手に祁連山脈の万年雪見える。写真ストップ。ゴビの彼方に雪を被った峰が続いている。きれいだ。8:35嘉峪関の町にはいる、大きな鉄鋼工場がある。飛行場もあるとのこと。鉄鋼の工場の近くをはしり魏晋壁画墓に8:50到着。入口ゲートから石の多いゴビの中の道をちょっとはしり小さな小屋のあるところで停車。あの小屋の中に墓への入口があるのだそうだ。駐車場のまわりはゴビ灘、ところどころ盛り上がっている、これが墳墓だという。このあたり10km四方に1000以上の墓があるとのこと。現在発掘されたのは10墓程度でその殆どが壁画墓だという。これから見る墓は鉄鋼工場の排水路を掘っている時に偶然発見されたもの。中は(入口も)狭いので2組に分かれて見学。私はあとの組になる。小屋のところには二人の管理人がいて、入口の鍵の管理とともに、墳墓の壁画の写真や複製など少しお土産を売っている。ゴビ灘の中、風も適当にあって朝のこの時間日差しが心地よい。20分たらず待って前の組と交代で中に入る。今のところ観光しているのはわれらの組の他は2人の家族だけ。(後で2人ずれがもう一組)。高さ2m弱、幅1m程度のスロープを下って地下10mの墓室へ、ひんやりとしている。13℃(墓室に温度計がある。)、ワインを保存するのにいいだろうなぁと墓の中で不謹慎なことを思う。中は3室。玄関正面の壁には墓の番人の絵。前室と中室には当時の生活の様子が描かれてている。後室は棺がおかれていたのだが盗掘でほとんど残っていない。それにしても1600年以上前に描かれた赤と黒の絵が鮮明に残っている。気候が大きく効いているのだろうが、穴を塞ぐ時に中にランプを灯したままにして中の酸素を少なくして酸化を防ごうとした知恵も寄与しているのだそうだ。墓の主は地方の豪族という。外にでると白人の20人ほどの団体のバスが来ている。われわれと交代で見学するようだ。観光客の増加でこのすばらしい壁画の保存に問題出ないような管理をのぞむ。9:45発嘉峪関に向かう。10:20嘉峪関に着く。大きな駐車場にたくさんのバスが止まっている。上海から貸切り列車で来た観光客もいるのだという情報もはいる。嘉峪関は明代の1372年から建設が始まり国土防衛のために使われた。高さ11mの城壁に囲まれた城内の面積が33500平方mもあるという大要塞。万里の長城はここから更に南にのび北大河の絶壁で途絶えることになる。城壁の上から見ると沙漠の中、南にのびる長城がどこまでも続いている。
嘉峪関からの万里の長城
嘉峪関

 すばらしい景色だが、なぜか物悲しさも感じる。それほど長城のあたりには人の気配はない。嘉峪関というとよく見る三つの楼閣のならんだところを写真に撮りたいがそのポイントが見つからない、ガイドの高さんに聞くとそのポイントは午後通る道路にあり、そこで写真ストップしますとのこと。11:45〜駐車場近くのレストランで昼食。ビールはラベルのきれいな黄河ビール。アルコール4% 5元。12:50バス出発。5分で嘉峪関の撮影ポイント。ここからだと遠く、より高く城壁が聳えている。
 10分ほどで長城第一とんのチケット売り場。沙漠の中の砂利道のほとりの小屋で売っている。どうもバスの走行距離の問題ではなくこの入場チケット代が高いようだ。そこから3分ほどはしり、長城近くの駐車場でバス降りる。団体客はわれらだけ。長城の切れ目を抜けて進むと50m近い階段の下に映画のセットのようなゲルの集団がある。ここには何人かの人が見える。その門のところを進むと細いつり橋があり、第一とんの対岸から万里の長城の終点を眺めるようになっている。ゲルの方から土産物を売るようなおばさんの声も聞こえるがゲルにはよらずつり橋をわたる。風も強く、細いつり橋は揺れる。対岸から見ると絶壁の上に万里の長城の最後の壁がそこだけ茶色の絶壁として乗っている。
  航空機のない時代に大軍がこの絶壁を下り、河を渡り、敵の守る対岸の絶壁を登ることは不可能と思われる。それほど見事に垂直な高い絶壁である。つり橋を渡って階段を登り、あらためて対岸を眺める。
  

絶壁の上の万里の長城終点
横から見た万里の長城終点
  遥か遠く祁連山が霞んで見える、そこまではずうっと黒いゴビ灘。あの山裾から大軍がこの川岸に到達するには何時間もかかるだろう。この対岸の風景はこの物見台に兵士が詰めていた600年前も変らなかったであろうと思うと、600年の昔がそう遠くないように感じる。風は強い小さな竜巻が見える。駐車場の近くに地下への入口があり絶壁の展望所になっているとのこと。そこにも入る。展望所の先端は厚いガラスで絶壁から飛び出しており足の下は川である。トイレもすばらしいというほどきれいである。随分お金をかけてりっぱな展望所を作っている。14:00バス出発、安西へ向かう。20分もはしるとゴビの風景、風が強く砂は殆どないという感じ。そんな中でもラクダ草か?半球型の草が地面にへばり付いている。すごい生命力だ。遠くにはみどりの中に集落も見える。
  14:50左遠く工場が見えるそのむこうは黒い雲、右は遠くに山が見えるがそこまでは広いゴビ灘。15:10青空トイレでストップ、バスを降りて見るとすごい風を実感する、風に逆らって用をたすことはできない。鉄道とならんではしる、長い貨物列車、42両もつながっている。15:40風力発電の風車見える。16:35ガソリンスタンドに寄る。生暖かい風強い。17:10左に湖見える。農業用水ダムの人工湖。17:30このあたりのゴビは黒い。高さんの説明、安西は風庫と言われる、風は1年に1回しか吹かない。即ち1月1日に吹きはじめた風は一度も止まることなく12月31日まで吹き続ける。回数で言えば1回なのですとのこと。17:50 左折5分ほどで広い通りに建物の並ぶ安西の町、18時本日の宿舎、瓜州賓館到着。
  ホテルのロビーに出ている天気予報だと本日の気温 最高32℃〜最低17℃となっている。途中ほどではないが、大きな木の幹がゆれるほどの風が吹いている。広い通りに車は殆ど走っていない。道路の真中に出て町の写真写す。これまた広い歩道を時々自転車で通る人がいる。この時間、このあたり人は少ない。19:00〜ホテルのレストランで夕食。ビールは武威の西涼ビール5元。冷たくない。はやばやと食事終了。19:40フロントで水売っているところ尋ねる。ホテルの斜め前にある。おじさんとおばさんが店番している、棚に飲み物がいろいろ並んでいる。スルーガイドの王さんに教わった”非常冰”の次に水と書いたもの示す。例のボックスより冷たいもの出してくれる。2本で3元、ここは少し安い。部屋に戻るがどうもビールが飲みたい。前の売店にビールあるかもう一度出かける。ついさっきと同じように非常冰にビールという漢字 (ロ 偏に卑+酒)を書くとちゃんと西涼ビール出る。ボックスの中を覗くと違うビールもありそう。”西涼果+口 偏に卑”というのが見えるこれを買う。(なぜか値段をメモしていないー価格?)温度はグー。ホテルにもどりいそいそと飲む。一杯目いい温度だ。2杯目なぜか物足りない。アルコール%見るとなんと0,9%。いわゆるノンアルコールビールだ。これは失敗であった。このホテルお湯は19時〜23時とのことはやばやと入浴し眠る。


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